第二期ウルトラシリーズはなにげに着ぐるみもゆるいものが存在しますね。今回はそんな怪獣のご紹介です。
ウルトラ怪獣シリーズ:テンペラー星人
第二期ウルトラシリーズの後期となりますとかなりそのゆるさ度合いが激しくなって行きます。時代背景を色濃く着ぐるみで語るとういのはキカイダー01かウルトラシリーズかといったところでしょう。その時代のウルトラ怪獣を立体化したものになります。
この星人がウルトラ兄弟を窮地に追い込んだとは微塵も感じさせないスタイルが素晴らしいと思います。このお人形はそのきぐるみの味を忠実に再現した物となります。できるだけ劇中のものを再現していくとういコンセプトのウルトラ怪獣シリーズとしてのチョイスということが何か深いものを感じさせます。
全体的に見て彫刻の立体感、鋭さがないいわゆる見ただけでゆるく感じるスタイルはやはり意図的に行われたようにも感じます。体表のモールドの追加などはなく素直な造形は好感が持てます。頭部の造形も巧みに造形情報を盛り込みながらも独特の味わいを持っていますね。意図的なゆるさ再現であるのかというのは少々疑問でもありますが好意的に見るということでご容赦ください。
短い足の反り上がったつま先なども再現しています。足首あたりの植毛の再現もしてありますがやはり彫刻が浅く中々にして面白い物に仕上がっています。
マントを付けているかのようなスタイルなのですが、マントと胴体の平面的なつながりが境界線をぼかしていてやや辛い所でもあります。背面に目を移すとほぼマントの造形が締めています。後頭部の造形が幾分角度がつけてありこの部分を見るとなんとなくこの造形全体のゆるさを意図的に行っていたのだろうと思えるように感じます。この後頭部の主張に気がつくともう一度全体を見直したくなるような気がします。
個人的に思うのはこの造形は意図的にしているとみられるゆるさが多く、それを再現するためのチョイスだったように改めて感じます。
頭頂部の角もかなりエッジが落としてあるのはもしかして抜きの歩留まりを考えてのことではないかと思います分割は頭部・両腕・胴体となっておりかなり抜きが大変なパーツが多いような気がします。エッジを落としてきたのはここらへんにも原因があるのかもしれません。ちなみにほぼ可動はしない頭部やぐるぐる回せるのですがあまり大胆に角度が変わらない腕などを見ているとかなり造形には苦労したのではないかと思います。胴体を分割しなかったのはコストの問題か見栄えの問題なのかはわかりませんが、大正解の分割であると思います。実はバランスなど劇中再現はとても素晴らしい物なのです。
さてここまでゆるさを全面に出している造形物ですが、眺める度にそのゆるさがだんだんと伝わるものだと思います。
そしてこのお人形の最大の欠点は並べるウルトラ兄弟がずいぶん大きくなってしまうことです。一度並べてみてください。
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